■丹那山系展望所(たんなさんけいてんぼうしょ)

 この展望所は「清掃不要」と「材料の経年劣化」を、計画の段階で考慮しました。多くの展望所は鳥の糞と落ち葉などで汚れています。
定期的に清掃できればいいのですが、なかなかそうもいかない現状のようで汚れたままです。材料も20年ぐらい経てば寿命がきて補修が必要になります。

これらを解消するにはどうするか?限られた予算内で考えた結果がこの展望所です。立地が山の頂上ですので風が強く落ち葉や鳥の糞は吹き飛びます。
それに豪雨できれいに流れますので、雨と風で自然に清掃されるように設計しています。


(敷地が未定から設計をスタート)

 まず、この敷地は漠然としたもので、「だいたいこの辺で計画しています」と言うだけで未整備の場所(山)でした。
この道は40mもある風車の胴体2本を台車に載せて運ぶために作る道なので、40mの台車がスムーズに通れるのが目的です。

当初の予定場所は台車が曲がるときに当たると言うことで削られて道になり、台車が腹をこするので高低差も1〜2m削りました。
それで予定敷地は無くなりました。(笑)

道路整備の様子を伺いながら落ち着いたところで、場所を決め仮足場を組み、眺望をみなさんで確認しました。結果、今の位置になりました。
また道路より建物の建設が先行したために、道路面が分からずに迷いましたが、打ち合わせの結果、建物の地盤面に道路面を合わせるとのことで
了解しました。

とは言え、敷地は水平ではなく30cmの高低差があります。そこで水平にして段差を設けるべきか?どうか?迷いましたが、段差をつけずに現状のまま
傾斜をつけて道路との段差を無くそうと決めました。結果は建物に合わせて道路を作ってもらいました。