●住宅の法規について●
実際に住宅を建てる前には、確認申請書を役所に申請して、確認を受けなければなりません。 プランニングする時に、法規に適合するように考慮して計画をします。 法規制の代表的なものは、建築基準法、(ハイパー建築法令集)ですが、関連法規として都市計画法、 宅地造成等規制法、消防法、民法などがあります。この他にも多くの関連 する法律があります。 多数ある法規制の中で住宅をプランニングされる場合に、最低限必要なおさえておきたいポイントは、 次のようなものがありますので参考までに書いてみます。 |
1)都市計画の区域内(市街化区域・市街化調整区域),区域外 2)用途地域(建ペイ率・容積率) 3)防火関係(防火・準防火・指定無・法22,23条地域) 4)道路 (建築基準法でいう道路) 5)高度地区(第1種,2種,3種高度地区) 6)斜線 (道路斜線・北側斜線) 7)建築協定 8)壁面後退 9)その他 |
上の1〜9までは役所(特定行政庁)の建築指導課、開発指導課、道路課等で調べに行かなくては わかりません。 下調べが済みましたら、<A>建ペイ率,<B>容積率,<C>道路斜線,<D>北側斜線, <E>壁面後退,<F>採光面積, がわかりますのでこれで一応、法規制はおさえたことになります. <A>〜<F>までの6つの事柄を理解するだけで、法規を考慮したプランニングができます. ついでに用語の内容を簡単に説明します。 <A>建ペイ率(建築基準法第53条) 建築面積の、敷地面積に対する割合をいいます。 建築面積÷敷地面積=用途地域で決められている割合未満にして下さい 。 ・建築面積とは 1階の床面積に、ポーチの面積を加えたものだと、単純に考えといて下さい。 正確には建物を真上から投影して、外壁、もしくは柱に囲まれた部分の投影面積です. (屋根の軒先ではありません) ただし、1Mをこえる軒先とか庇、バルコニーについては、1Mを引いた残りの部分だけは 建築面積に加えます。天井まで達する出窓等も含まれます。 又、同一敷地内にある建物とか、ガレージも含まれます. <B>容積率(建築基準法第52条) 延べ面積の敷地面積に対する割合をいいます。 延べ面積÷敷地面積=用途地域で決められている割合未満にして下さい。 ・延べ面積とは 2階建の場合は、1階床面積と2階床面積を加算した面積です。 <C>道路斜線(建築基準法第56条-1-1 建築基準法施行令第131〜134条) 前面道路から建築物の各部分の高さの制限をいいます。 ・この説明はいろんなケースがあり、複雑になりますので、簡単な一例で説明します。 2階建寄棟の場合、敷地と前面道路に高底差がないものとして、2階軒先から道路境界線までの、 水平距離に前面道路の巾員を加算したものが、住宅地域では、5M前後離れていなければなりません。 5M前後を目安にプランニングすればいいのではないでしょうか? (5M×定数1.25=6.25M)>2階軒先の高さ6M前後 この条文にはいろんなケースがあり、ただし書きとか、緩和規定が多くてややこしくなっています。 <D>北側斜線(建築基準法第55条 建築基準法施行令第130条-10) 隣地から建築物の各部分の高さが、真北方向の水平距離により制限があります。 ・隣地境界線と2階軒先の真北方向の水平距離が 5M+1.25/1 と決められた地域は 0.9Mぐらい離します。 5M+0.6/1 と決められた地域は1.90Mぐらい離します。 というような目安でプランニングして下さい。 <E>壁面後退(建築基準法第54条) 隣地境界線から外壁までの距離が、1M以上とか1.5M以上とか決められている地域があります。 ・風致地区などは、もっと厳しかったりします。規定のない地域でも、民法234条で0.5M以上離さなければならないこともあります。 <F>採光面積(建築基準法第28条) 居室の床面積の1/7以上の採光のための窓が必要です。 ・採光のための窓といっても、単に窓を設ければいいという訳ではありません。 隣地と軒先の水平距離が、問題となってきます。 住居地域では、隣地と軒先までの水平距離×2.5倍が、有効になってきます。 採光については、2階建の場合の1階の居室が問題になることが多いので、窓のあるところで 隣地と2階軒先まで水平距離を、2.1Mぐらい離して計画すれば、クリアできます。 2階の居室においては、トップライトでクリアできます。 ・居室というのは、居間、食堂、洋室、和室、寝室、書斎等です。 納戸、洗面所、浴室、廊下、玄関等は含まれません。 台所については、居室になったり、厨房と言葉を変えれば、居室に含まれなかったり床面積が4.5帖までは含まれなかったりとか、今だに行政庁の担当の判断により まちまちなところもあります。 |