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シャクリ釣りについて


地元太田のイカ釣り漁法は、夜間の「イカ引き」が昔から今日まで変わらずに伝統として続いている。

竿先にスズをつけたものを伝馬船の両側にさして、片手はハンドルを握り(昔は「ろ」でこいでいた)片手には「ビシよま」の道具を持ち、道具3つを引っ張る。

道具は全て手作りで「イカ型」と呼ばれる疑似餌(餌木)は、子供の頃、父に教わって自作して実践で試していた。この「イカ型」の出来栄えで、よく釣れたり釣れなかったりと、釣果を左右していたように思う。だから自作の道具でよく釣れたら、喜びもたいへん大きい。未だにその時の感動は覚えている。
     ※餌木は木で作り塗装する
今日は夜間に釣る人と、昼間にシャクる人、両方やる人に分かれている。私はもっぱら昼間の「シャクリ釣り」にはまっている。アタリも楽しいが、釣れない時にいかにして釣るか?これまでの釣れた経験をイメージしながら、その日の潮を読みコースを決め、みごとに釣り当てた時は「してやったり」と誇らしげに満足する。(笑)

「この広い海のどこかに、絶対イカはいる」わけだからその場所を探せるかどうかが釣果につながるように思う。そのためには潮の流れをよく観察しないとうまくいかない。よく釣れたコースは何度か流して見る。その両サイドも試す。

要するに潮流とコースの「こだわり」は大切で、あきらめずに何度か試すのがよい。同じ船の上で両サイドでは極端に釣果が違う時もあり、また平行して並んで船を流しても、片方しか釣れないこともあるので、船を流すコースは大いに釣果を左右する。

夜間の釣りは寒さと眠気と孤独さえ我慢すれば、楽かもしれない。昔は片手で「ろ」を漕いでいたので、多少疲れたかもしれないが、今は船外機で走るので、その分楽になったと思う。

昼間の「シャクリ釣り」は読んで字の通り、ずっとあたりがあるまで竿を上げ下げして動かさなければならない。慣れるまでは、腕、肩、腰などに筋肉痛がある。要領を覚えれば加減が分かってきて、マイペースでシャクれるので楽になると思う。

    
       ※大きいイカの墨で船が真っ黒になる。眼鏡をかけて
         いると光るので顔面に墨を吐かれる確率が高くなる
         ので、釣れたらすぐに眼鏡を外す。


私は最初に始めた年は、道具を5つ切って海中に沈めてしまった。なにしろ「イカを引っ掛けてやる」と思い込んでいたので、ガンガンと力任せに強くシャクっていたので、30号もある太い「スジ糸」が擦り切れていた。(笑)

数年もやっていると、手加減を知り、道具を傷めずに要領よくイカを釣れるようになる。イカを「引っ掛ける」と言うより、疑似餌(餌木)をそれらしく「泳がせる」ように考えを変えた。

イカをシャクる姿は十人十色で特徴がある。その姿には「性格が良く出るなぁ」と思いながら眺めている。(笑)

今は遠くから眺めて、そのシャクる格好だけで名前が特定できる。長めの竿で後ろにそっくり返るようにシャクる人、ゆっくり丁寧にシャクる人、竿を下す時だけスローで下ろす人、せっかちにシャクる人、立ってシャクる人、座ってシャクる姿も個性がそれぞれある。

30〜60分もシャクりながら、一度もアタリがこなかったりすると、疲れが来て、シャクるのが嫌になる。シャクらなければアタリが少なくなると言う悪循環になる。

そんな中、当たれば今までの疲れは、すっかり忘れてハッスルとシャクるようになる。単純明快である。(笑)
シャクる間隔が長い人は釣れていない事がすぐ分かる。

小さいイカはアタリが分かりにくいので、上げて見たら足の先だけ掛っている時があるが、2kg級ともなると一瞬、根掛りしたと勘違いする。その後に「ジヮーッ」とイカが浮いてくるので、大きいイカだと想像できる。上げながら「ニターッ」と微笑みながら慎重にタモを用意する。

大きいイカはタモですくわないと、そのまま持ち上げると自重で餌木の針が伸びて、手元で逃がすことになるので注意する。何度か経験すれば、その悔しさが分かるので必ずタモですくうようになる。

釣り方

1)山立てをして場所を決める。
2)シーアンカーを入れる。
3)「測りよま」で海の深さを測る。(測り終えたら4ひろたぐる)
4)竿を出しまず、先すじ3ひろを解き餌木を投げる。
(この時餌木が逆さまにならないように慎重に投入)
5)道具には深さの目印が付いているので、海底から0〜1ひろの所を釣る。
6)シャクる。ただひたすらシャクる。
7)適当な間隔で深さを常に確認する。
8)アタリはイカの大きさにより違う。
9)アタリがあればゆっくり糸をたぐり、取り込みはあわてない。
10)墨は吐かれても海水で流せば落ちるが、服装は汚れてもいいような服にする。

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