■■■木造伏図の作り方■■■
● はじめに ●
木造在来工法の伏図についての現状は、それぞれ自己流で好き勝手に書かれていると思います。これといった正解がなく授業でもまともに教わったことはないと思います。また設計事務所でも教えていません。それぞれ独自に勉強して適度に「エイヤァ!」で書かれていると思います。(笑)あるいは全くタッチせず、大工さん任せかプレカット任せにしている、建築士も多いと思ます。 木造伏図は梁の架け方と伏図作成が人によって、それぞれ違う考え方があり設計者とプレカット工場の担当者と大工さんの考え方の違いも、統一したものがなく三者三様になります。それぞれ理にかなったものであれば、伏図はいくら通りでもできます。また構造担当者においても、木造の構造計算は慣れていないところがあり、それほど自信のある伏図は示せない事もあります。 そこで基本的な考え方をここにまとめてみます。当初、図面と解説と資料を作成する予定でしたがいざやり出したら、本が3冊程出来てしまうぐらいの量に、なることに気付きました。無謀な挑戦とあきらめて、詳細はやめて考え方のポイントだけをまとめることにしました。(苦笑) |
木造伏図にも色々ありますがここでは「住宅メーカーの注文住宅2階建程度」を想定して、話を進めていきます。・・・・・ところで伏図はどの図面から書くのか...?
わかりますか?どれから書いてもいいと言うものではありません。図面の順番は次のようになります。 |
図 名 |
1) 2階小屋伏図 |
2) 2階床伏図&1階小屋伏図 |
3) 1階床伏図 |
4) 基礎伏図 |
5) 1階母屋伏図 |
6) 2階母屋伏図 |
この平面図 heimen.zip と 立面図 ritumen.zip を参考にしますので ダウンロードして平面、立面、各伏図をよく眺めて見て下さい。まずは 柱から1本1本入念にチェックして、図面に慣れて下さい。この作業は 基本中の基本になり、伏図を書くのに非常に大切な要素になります。 ※柱1本で梁の架ける方向が違ってきますので柱は重要になります |
1)2)3)の順番は守ってください4)5)6)はどれから書いてもかまいません。 感覚的なことで説明しますと ●図面を早く書くコツ● 2)の2階床伏図が最も難しく時間がかかります。2)から書き始めると、いきなり頭を使うのでうまくリズムにのれない感じがする。ですから1)の2階小屋伏図から先に書くと、割と易しく書きやすいので、ウォーミングアップを兼ねて図面を書くのにリズムが生まれ、ルンルン気分で2)の図面に入れる。勢いがついているのでややこしいものでも割と易しく書けるものです。 |